本ページは、「死ぬより怖いタバコの病気」の書籍内容を掲載しています。

タバコ病4 食欲不振

タバコを吸うと血管が収縮し、胃粘膜の血流が悪くなる。
消化器の働きが低下し、空腹感が起こりにくい状態に。

●胃酸が逆流して胸やけや胃もたれも

「タバコを吸うと、食欲不振になる」。これには明確な理由があります。

それでは、タバコと食欲の因果関係はどこにあるのでしょうか。

タバコは、食道や胃、十二指腸など消化器系に多大な影響を及ぼしています。ニコチンには胃の収縮力を低下させ、吐き気や嘔吐を起こさせる作用があります。タバコを吸うと血管が縮まり、胃粘膜の血流が悪くなります。また、タバコを吸うと、胃や食道の括約筋がゆるんで、酸性度の高い胃酸が食道へ逆流し、胸やけや胃もたれ、ゲップなどをもたらします。特に一日三〇本以上のヘビースモーカーでは、胃内逆流のケースが非喫煙者よりはるかに多いという報告があります。

タバコが食欲不振をまねく理由は、食道や胃の機能の低下や、食後いつまでも食べた物が胃に残った感じが続き、空腹感が起こりにくい状態になっていることが挙げられます。さらにニコチンには血糖値を上昇させる働きがあるため空腹感が抑えられることも明確になっています。また、口や鼻、胃の粘膜が荒れ、味覚や嘆覚が鈍感になっていることも、食欲が抑えられる理由のひとつです。

食欲不振が一時的なものであれば不安はありませんが、胸やけや胃もたれが続き、みぞおちが痛くなったり、急に顔色が悪くなったりすると要注意です。

胃粘膜には毛細血管がはりめぐらされており、血流が障害を受けると胃潰瘍にかかりやすくなります。わずか三服の喫煙によって喫煙者で約二〇%、非喫煙者では五〇~七〇%もの血液量の低下がみられます。こういった胃粘膜の血行障害が、粘膜の防御力を低下させ、潰瘍を誘発するのです。

喫煙者は非喫煙者にくらべて消化性潰瘍にかかりやすいという調査報告があります。タバコが原因で起こる食欲不振は、消化器系の働きが低下していることと同時に、消化器疾患が進行していることを示唆しているのです。

目次 死ぬより怖いタバコの病気

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