どうして喫煙者はタバコをやめることができないのでしょうか?意志が弱いといってしまえば、それまでかもしれません。でも実は、美味しいタバコが密かに持つ、依存性にあるのです。ここでは、私たちがなぜ「ニコチン依存症」に陥るのかを見てみましょう。
タバコの煙を吸い込むと、ニコチンが肺から吸収され、血液によって体内を駆け巡り、脳にも達します。その間、なんと10秒程度という短さ。脳の中では、ある神経細胞が化学物質を作り出し、それを別の神経細胞が受け取ることで、さまざまな情報が伝達されていきます。このときに作られる伝達物質の動きを刺激するのが、何を隠そうニコチンです。
神経細胞が作り出す伝達物質には、気分高揚や覚醒に作用する「バソプレシン」、集中力を向上させる「アセチルコリン」、緊張を和らげる「βエンドルフィン」といったものがあります。つまり、ニコチンがこうした物質の生成と活発な動きを刺激するため、タバコを吸うと頭の中がスッキリした感じ、つまり、覚醒した状態になるというわけです。
もちろん、こうした覚醒効果やスッキリ感は、見せかけだけのものです。確かに一時的には仕事にも集中できるし、空腹も抑えられますが、ひとたび体内のニコチン量が減ると、神経がニコチンによって刺激されていたときと、正反対の症状を見せるようになります。
それが、極度の不快や倦怠感を伴う「離脱症状」です。もちろん、肉体への影響は深刻です。喫煙でスッキリ気分を味わっている間にも、タバコの有害物質は、どんどん体を蝕み続けます。気がつけば、身も心も虜に…。
いかがでしたか?タバコをやめられないのは、意志の問題ではありません。無理なくニコチンから決別し、健康な体を手に入れてください。