インドネシアで1歳8ヶ月の男児が喫煙!?――2010年、メディアを駆け巡った1枚の写真に、衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。2005年に発効された「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」により、世界規模で禁煙化が進む一方で、女性や若年層の喫煙率は上昇しているともいわれています。国内でも1995年以降、成人喫煙率は減少傾向にありますが、30~40代の女性は若干増加。未成年の喫煙者は10年前に比べて少なくなっているとはいえ、高校3年生では全体の4割ほどに。さらに月に1回~毎日の喫煙率は男女とも学年が上がるにつれ、いずれも上昇しています。
そもそも青少年に対するタバコ規制は、明治33年に「未成年者喫煙禁止法」が施行されたのが発端。「輸入の巻きタバコを吸う子どもが増え、このまま捨て置けば将来、中国やインドのように列強に支配されかねない」といった、アヘン戦争などを鑑みた当時の世界情勢が色濃く反映されていたようです。その後、改定を経ながらも脈々と受け継がれてきたこの法律は、現在では健康面や非行に主眼が置かれるようになりました。それもそのはず、タバコが成長過程の若者に及ぼす影響は甚大で、心筋梗塞やガン、若年死亡のリスクが向上。年齢が低いほど短期間でニコチン依存状態に陥りやすくなるからです。大人で5~10年を要するニコチン依存が、中学生だと数週間~数ヶ月というデータも。その反面、子どもは成人に比べ短期間でニコチン依存から脱却できるため、昭和40年以降のピーク時は、じつに成人男性の8割ほどが喫煙者だった日本。JTの調査によると現在では平均喫煙率が40%弱にまで半減したものの、それでもこの数字は諸外国に比べると未だに高いといわざるをえません。未成年者の喫煙行動は親や兄弟、友人など周囲のタバコ環境と密接な関係があります。タバコを吸う、吸わない、の自由な選択肢を与えられている私たち大人のモラルや姿勢が、今こそ問われているのかもしれませんね。