本ページは、「死ぬより怖いタバコの病気」の書籍内容を掲載しています。

タバコ病24 胃・十二指腸潰瘍

喫煙によって消化器官内の酸と粘液のバランスがくずれ、潰瘍に。最悪の場合、胃を手術で全摘出しなくてはならない。

●喫煙が粘液の量を減らし、消化器を壊す

「ストレス解消にはタバコが一番」。
そう信じている方のために、こんなデータを挙げてみましょう。ストレスがおもな原因で起こるといわれている消化器系の潰瘍、すなわち胃・十二指腸潰瘍に喫煙者がかかる確率は、それぞれ非喫煙者の三倍、三・四倍です。

消化器系の潰瘍は、食べものを溶かす強力な酸が胃や十二指腸の壁を侵食してしまうことによって引き起こされます。

一般的に胃潰瘍の原因は、前記のストレスによる胃酸過多のほか、過労や特定の薬剤(アスピリン、インドメタシン等)の摂取、最近ではヘリコバクターピロリという細菌が作り出す物質によっても引き起こされることがわかっています。

ではなぜ、喫煙が胃潰瘍の原因になるのでしょう? それは血管が収縮し胃粘膜の血流が悪くなって粘液が減るからです。喫煙は胃の運動を活発化させ、逆に胃酸の分泌量は増やすので、吸えば吸うほど悪循環です。一方、十二指腸潰瘍こは、胃と十二指腸をつなぐ幽門と呼ばれる部分の括約筋が、喫煙によって弛緩するという関係があります。十二指腸に過剰な胃液が流れ込んでしまうのです。

胃潰瘍も十二指腸潰瘍も、早期発見・早期治療を行なえばもちろん命に別状のある病気ではありません。しかし、進行すれば、粘膜の下の粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層などを侵し、ついには一番外側の漿膜を突き抜けてしまうことさえあります。これがいわゆる「胃に穴の開いた状態」。大量出血は免れません。こうなったら手術をして患部を切除するしかありません。ひどいときには胃を一〇〇%切除なんてこともあります。発見が遅れた人は覚悟が必要です。

「酒を飲むと無性にタバコが吸いたくなる」という人も要注意。タバコにアルコールが加われば、さらに発症率が上昇することがわかっているからです。

目次 死ぬより怖いタバコの病気

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