本ページは、「死ぬより怖いタバコの病気」の書籍内容を掲載しています。

タバコ病31 糖尿病

すい臓で作られるインスリンが減って、血液中のブドウ糖濃度が高くなると起きる病気。自覚症状が少ないのが怖い。

●おもな合併症は失明、足切断、人工透析

酸素を体内に吸い込んだとき、その一部が活性酸素という物質に変わって病気や老化を促進する、という話は「白内障」のところでも触れました。この活性酸素の重大な影響は、糖尿病にもあらわれます。

具体的なメカニズムを説明していきましょう。まず、活性酸素が脂肪酸と結合して、過酸化脂質という物質を作り出します。そして、この過酸化脂質は、細胞膜を傷つけ、遺伝子をも傷つけます。遺伝子は生命のあらゆる活動をつかさどる部分なので、これが傷つくと、たちまち細胞は異常をきたしてしまいます。その代表例ががんですが、糖尿病の場合は、すい臓の働きが弱るというかたちで、この細胞の異常が影響してきます。ちなみにすい臓は、食べものから吸収され、血液中に流れ込むブドウ糖の濃度(これを血糖値といいます)を低く抑える働きをする、インスリンという物質を作っています。そのすい臓が弱ってくると、インスリンの分泌量が減り、血液中の血糖値が急上昇してしまうのです。

インスリン不足は血液中にそのままブドウ糖をとどまらせるため、筋肉エネルギーに変えるためのブドウ糖が十分に摂取されなくなって、体のだるさや体重減少につながる場合もあります。しかし、なにより怖いのは、高血糖の状態は一〇年ほど続いても自覚症状がほとんどなく、気づいたときには手遅れになっている場合が多いことです。

糖尿病にはさまざまな合併症があり、そのおもなものとしては、腎症、網膜症、足壊疽などです。これらの症状が進行すれば、失明や足の切断は避けられません。

抵抗力も落ちるため、ちょっとしたケガで手足がひどく化膿し、そのために切断を余儀なくされることもあります。このように糖尿病は、進行すると、悲惨な末路をたどることになるのです。

目次 死ぬより怖いタバコの病気

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