禁煙がキツイと思ったらこんな方法で

あなたが不意に禁煙がキツイと感じてタバコを吸いたくなるのは、「久しぶりに吸ってみたらどうなるのか?」といったいたずらな好奇心です。あるいは、長年続いた習慣への条件反射のようなものでしょう。口唇欲求は比較的長く残るものです。口寂しくなって、ふとした拍子に昔の名残が訪れるのでしょう。

「タバコを吸いたい」と心のどこかで思っている人は、タバコを吸う理由をいくらでも挙げることができます。自分にとって都合のよい言い訳をして、禁煙を中断してしまうのです。

……あれ、この文脈、どこかで聞いたことがあるようだが……そう感じた方もいることでしょう。そうです、「離煙講座」がスタートした際にお届けした「離煙手帳」の巻末に記した「言い訳事典」のことです。

あなたの考えつくタバコを吸いたい理由は、ほとんど「言い訳事典」に掲載されています。その言い訳がいかに愚かであるか、読み返してみましょう。

●さらにこんな方法も有効

「言い訳事典」を読み返しているうちに、タバコを正当化するための「言い訳」が、実にたくさんあることに気付くでしょう。「喫煙するためのへ理屈がたくさんあるな」と客観的に思えるならしめたものです。「タバコを吸うことなどバカらしい」という考え方が少しずつあなたに浸透しているのです。

また、不意にタバコが吸いたくなったら、欲求を沈める応急処置の方法がいくつかあります。すでに日常的に行なっていらっしゃるかもしれませんが、「離煙ブリーズ」という呼吸法もそのひとつで、いつでもどこでもできる対処法です。

なかにはお忘れになっている方がいるかもしれませんので、いま一度説明しておきましょう。ブリーズとは呼吸のことですが、タバコを吸うことも呼吸の一種です。つまり、タバコを吸うかわりに「離煙ブリーズ」を行なって、気持ちを穏やかに導くものなのです。

「離煙ブリーズ」は、意識して繰り返すことで、喫煙習慣の精神的依存症を徐々になくしていくことができる方法です。

●「離煙ブリーズ」を続けましょう

「本離煙」スタート時は、「離煙ブリーズ」を少し試しただけでもつらかったことでしょう。それは、肺の機能が弱っていたからです。けれど、これを二～三カ月続けて肺機能が復活している現在なら、二〇秒止めて四〇秒で吐く「離煙ブリーズ」でも、難なくこなすようになっているかもしれません。

離煙ブリーズは、脳を活性化させることによって、タバコへの欲求を瞬時に消し去ることができます。また、呼吸をカウントして意識を集中させることで、心を落ち着かせ冷静に考えることができるようになるのです。では、肩の力を抜いてリラックスしましょう。

鼻から空気を一気に吸い込んで、五秒間息を止めます。この時、頭の中で「一、二、三、四、五」としっかりカウントします。息を吐く時は口をすぼめます。この時も「一、二、三、四、五、六、七、八、九、一〇」とカウントしながら、ゆっくりと息を吐き出します。慣れできたら徐々に呼吸を長くします。

「離煙ブリーズ」は新陳代謝を活性化する呼吸法でもあります。まだ身につけていない方はこの機会に思い出し、ぜひ実行してみましょう。

●ビデオやテキストで復習も

「離煙ビデオ」には、「離煙ブリーズ」の解説以降、ぼんやりと画面を眺めているだけで、タバコを嫌いになっていく効果があります。また、眠れないときには「子守唄」のかわりにもなります。

「離煙ブリーズ」を試したり「離煙ビデオ」を見直すことは、タバコから離れるための有効な手段です。また、「離煙」の考え方を復習してみるのもよい方法です。テキストを読むことによって、「離煙プログラム」を実行してきた二カ月間を思い浮かべたり、「離煙」の考え方を思い起こすことができるからです。

テキストを何度でも読み込んで定期的に復習することで、「離煙」の考え方を再確認し、さらに深く理解するようになるでしょう。これらのテキストは貴重なバイブルです。すぐに手に取れる場所に並べて、いつでも読み返して要点をおさらいしておきましょう。

目次　離煙実践講座 本離煙編(1)